にんにくは『四改訂食品標準成分表』によれば、100g当りのエネルギー量は138カロリーと野菜の中では高い方です。主な成分は水分60.3g、たんぱく質8.4g、脂質0.1g、糖質28.7g、繊維質0.9g、その他ミネラル類はカリウムを多く含み、リン、鉄、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、銅、ビタミン類ではビタミンB1をとても多く含んでいます。
このように人の体に良い成分が多く含まれていますが、一番重要なのは僅か0.1%含まれる「アリシン」です。アリシンはにんにくに含まれる含硫濃度の高いアミノ酸「アリイン」が酵素「アリナーゼ」に反応して生成します。
元々アリインとアリナーゼは別々に存在していますが、にんにくを切ったり、すり潰したりすると両者は反応しあい、にんにくの臭いの元であるアリシンが発生します。したがってにんにくを傷つけない限り臭いはしません。にんにくは土中で虫や病原菌などの攻撃に対してこの臭い成分を発生して自らを防御しています。
にんにくを加熱したものは臭いが弱いのは、加熱することによりアリナーゼが失活し、アリインと反応できず、アリシンが発生しないからです。無臭を謳うにんにく料理やサプリメントはアリシン含有が少ないと思ってください。