にんにくの原産地は中央アジアのキルギス地方という説が有力です。中央アジア地方からシルクロードを経て、東西に広まったと言われていますが、紀元前のエジプト、ギリシャなど地中海沿岸地方ですでに栽培されていた記録が残っています。
使われた最初の記録はメソポタミアのスメール人と古代インドで使用された記録が有ります。
紀元前1300年の古代エジプトでは強壮剤や媚薬として使われていいたようですが、ピラミッド建設の労働者へのスタミナ食としても使われました。(あのツタンカーメンの墓からにんにくが６個発見されており、またピラミッドでにんにくを食べる労働者の壁画が見つかっています）
古代インドではアーユルヴェーダ医療としてにんにくが使用されたことが医療教科書に乗っています。
エジプトの薬物治療書「エベリスパピルス」には疲労、衰弱、手足の振るえを伴う神経系疾患などに効用があるとしてにんにくをはじめ22種類の治療薬が記載されています。
近世のヨーロッパでは農民の万能薬として、解毒、潰瘍、天然痘やコレラなどの治療薬として使われています。
フランスのパストゥールも感染菌を殺す作用があることを突き止めました。また、アフリカではシュバイツァー博士がコレラやチフスの治療に使いました。
第一次世界大戦の時にイギリスでは傷痍軍人の治療や赤痢ににんにくを使いました。第二次世界大戦でもソ連は兵士の傷の治療ににんにくを使用し「ロシアのペニシリン」と呼ばれました。
