にんにくは3000年以上の歴史があると言われています。エジプトのピラミッド遺跡からにんにくの化石が発見されていますし、ピラミッド建設の労働者にはにんにくが配給され、労働者の健康と体力維持に役立っていたようです。(余談ですがピラミッド建設は奴隷ではなくちゃんとした労働者が当たっていたそうですね)
中世ヨーロッパでは流行病の予防や病原菌の殺菌ににんにくが使われていました。実際ににんにくの治療法はさまざまにあります。それでドラキュラにはにんにくが撃退法なのですね。(外からくる得体のしれないものにはにんにく?)
このにんにくに科学の目が向いたのは近年のことですが、1990年のアメリカでのデザイナーフーズ・プロジェクト(アメリカ政府が多大な予算で、ガンの予防に効果のある食品を検証した計画)でにんにくがトップになりました。これ以来、アメリカでのにんにく消費量はそれまでの3倍になったそうです。また、サプリにおいてもハーブ系ではにんにくは常にベストスリーに入っています。
このようなにんにくですが日本では臭いが嫌われ(繊細な日本料理には臭いのきつい食材は合わない?)、日本人一人の年間消費量は約300gですが、これは韓国人に比べ約20分の一にしかならないそうです。
人類の健康に貢献したにんにくですが、その歴史的に引き継がれた有効成分とはなんでしょうか?
にんいくには豊富なミネラルやビタミンが含まれており、これが元気の素ですが、これまでの研究から一番の有効成分はにんにくに含まれるアリインが刻まれたり、すりおろされたりした時にアリナーゼと言う酵素と反応してアリシンを発生します、このアリシンこそがにんにくの真の有効成分と言えるものです。
アリシンは土中で育つにんにくが病原菌や虫などを防御する臭い成分なのです、したがってにんにくの持つ殺菌力や免疫力はこのくさいアリシンにあるのです。
つまり臭いに効き目があるのです。しかし日本のにんにくサプリは無臭にんにくが主流であり、製法上加熱をしたり(アリシンは熱を加えるとすぐに揮発してしまいます)、他の成分と組み合わせて効き目を謳ったり、にんにく本来のアリシンを主体とした薬効から遠ざかってしまいました。
国際基準ではアリシンの含有量が評価基準となっています。残念ながら日本ではこれを検査できる機関も無いですし、アリシンを取り出し製品化する技術も有りません。
これからは、良いにんにくサプリはアリシンを目安に選んでゆくといいですね。